バード信託の魅力



 先日、昼休みに所用で(実は「宝物たち」の日本のお金のところでふれましたが、懐の“絶滅寸前のキジ”を保護育成するために)三菱信託銀行上野支店の店頭を訪れたら、なんとパンフレットなどが置いてあるところにタカブシギの姿を見つけました。
早速手にとってみると「バード信託」という信託の一枚のビラでした。(左の図)
 
これは信託のしくみを使って、預金者が(パンフレットには篤志家と書いてありますが)一定のお金を預けると、三菱信託銀行はその資金を運用して、あがった収益を年に二回日本野鳥の会に渡すというものだそうです。
即ち預金者(厳密には委託者というらしい)は、そのお金そのものを自分自身のために“増殖”することは出来ないけれども、そのお金の運用利益は日本野鳥の会が運営するサンクチャリなどの資金として本物の野鳥の保護育成に役立てることが出来るというもののようです。
 
 そういえば日本野鳥の会で会員向けの雑誌「野鳥」によくオリコ(オリエントコーポレーション)の「日本野鳥の会カード」のことがでているのを思い出しました。
これは、私達がそのカードを使って買い物をするとその使った金額の0.5%をオリコが日本野鳥の会に寄付し、日本野鳥の会ではその資金を自然保護活動に使うというものだそうです。
 
 両者はとても似ているけれども大きく違うのは、オリコの方はカードの使用者は実際に買い物をするときに物の代金として元手が必要なほかに、カードの年会費を払ったり、支払いを繰り延べるときに金利を支払う形で一部資金の負担をしますが、三菱信託のバード信託は会費や手数料は不要で、自分の預けた資金(元手)は期日が来たらちゃんと自分に戻ってくるけれども、その間の利息は自分自身に返されることなく、日本野鳥の会に支払われるから、その運用利息相当分は本人が負担していることになる点です。
 
 我々一般庶民の限られた財源を効率よく最大限に自然保護に活かすことが出来るという意味では どちらも素晴らしい仕組みだと私は思います。
 しかし、この信託を使った仕組みは他にも盲導犬の為に使ったものもあるそうですし、個人の資産を特定の目的のために使うこともできるとのことです。そういう意味では、個人の意志が活かせることになるし、もし、自分の夢を実現させるためにオーダーメードでつくってもらえるならもっといろいろなことに使えそうですね。その点では、このバード信託には限りない夢がこめられているような気がします。
 

 
ビラに書かれていた信託の仕組み

 
 バード信託は10万円から1万円単位ではじめられるということですが、現在、この低金利の環境にあってはたとえ5年間預けたとしても、ほとんど運用利息は稼げないのが現実だと思います。(例えば年0.3%の運用利息が得られると仮定したとしても、100万円預けても年間たった3000円しか利息が付きません。1000万円でも3万円、1億でもやっと30万円。早く日本の景気が回復し、我々の意思を信託で活かせる時代になって欲しいものです。)
でも、我々バーダーとしては日本の野鳥たちや、我々に残された地球環境を少しでもよい状態で将来に受け継いでいきたいと考えるのなら、このようなバード信託や、オリコのカードなど出来る範囲で少しずつでもやっていく気持が大切だと思います。
三菱信託銀行やオリエントコーポレーションにはその点で是非頑張っていって欲しいと思います。
 
ここでの紹介は、三菱信託銀行からもらったビラや「野鳥」誌でのオリコの広告の範囲で行っていますので、詳しいことは三菱信託やオリコに直接確認してくださいね。
 
 
(平成13年1月)