５月４日 ― １０日までの一週間、ムシクイ類の数も一段と増えて来た。
木の葉もすっかり茂って、動きの早いムシクイ類が大変見難い。
　
セントラルパーク ~
この時期になると何時もジョンレノンの碑で有名なストロベリーフィールドから始まり、大きな樹木で覆われる深い森のようなランブルへ入るコースを歩き回る。カマドムシクイ(Ovenbird)の歩く姿があちらこちらで見られる。ズグロムシクイ(Blackpoll Warbler)の鈴の音のような歌声が上から降って来る。黄色い胸に黒い首飾りがあるクロボシアメリカムシクイ(Canada Warbler)、黒いベレーボーを被ったウイルソンアメリカムシクイ(Wilsonﾕs Warbler)、眉と喉が明るいオレンジ色の人気者キマユアメリカムシクイ(Blackburnian Warbler)など数多く見られるようになった。
満開の濃いピンク色したアゼリアの花の下、ミヤマシトド(White-crowned Sparrow)が盛んに土掘りをしながらえさ取りをしたり囀ったりの忙しい動作を繰り返す姿に思わず微笑む。
　
ベアーマウンテン州立公園 ~
新緑も濃くなって、早朝にはソングバード達の大合唱が響きまさに春爛漫である。キイロアメリカムシクイ(Yellow Warbler)がそこらじゅうで鳴いているし、クロズキンアメリカムシクイ(Hooded Warbler)も数が増え,低い潅木の小枝でも囀っている。 また、このところその数が減少して問題となっているミズイロアメリカムシクイ(Cerulean Warbler)もあちらこちらでその姿を見ることが出来る。
　
時々一本の木に５―６種類のムシクイの群がえさ取りをしながら舞っている光景が見られるのもこの山の魅力の一つであろう。今年はノドグロルリアメリカムシクイ(Black-throated Blue Warbler)の数が例年より多く、今までなかった営巣するペアーも見られる。また、この山では今まであまり見ることが出来なかったクリイロアメリカムシクイ(Bay-breasted Warbler)の美しい姿が今年は見ることが出来るのでうれしい。
　
待ちに待ったアカフウキンチョウ(Scarlet Tanager)も５羽程見られた。真っ赤な身体に真っ黒な翼の美しい姿が新緑の枝に止まっていると、浮き上がって見えそのコントラストはどきっとする程奇麗だ。
営巣の常連ノドアカハチドリ(Ruby-throated Hummingbird)は着いたばかりか枯れ木の枝先に静かに止まっていた。
２羽のキバシカッコウ(Yellow-billed Cuckoo)が鳴き合いながらチェイスィングする姿が真近かで見られる。毎年この山で営巣するソングバード達が勢揃いした週であった。
　
今週見られた主な鳥リスト（文中に記されたものを除く） ~~~~~~~~~
アメリカムシクイ(Warbler) ２６種類､ アオバネ(Blue-winged )、マミジロ(Tennessee )、ズアカ(Nashville)、アサギ(Northern Parula)、シロクロ(Black-and-white)、ワキチャ (Chestnut-sided)、シロオビ(Magnolia)、キヅタ(Yellow-rumped)、ノドグロミドリ(Black throated Green)、チャスジ(Prairie)、ヤシ(Palm)、フタスジ(Worm-eating)、ミナミミズツグミ(Louisiana Waterthrush)、キタミズツグミ(Northern Waterthrush)、カオグロ(Common Yellowthroat)、ハゴロモムシクイ(American Redstart)、
　
その他主なソングバード ~~
ヒメコンドル(Turkey Vulture)、クロコンドル(Black- Vulture)、エントツアマツバメ(Chimney Swift)、ムラサキツバメ(Purple Martin)、ミドリツバメ(Tree Swallow)、オビナシショウドウツバメ(Northern Rough-winged Swallow) ブユムシクイ(Blue-gray Gnatcatcher)、ルリツグミ(Eastern Bluebird)、モリツグミ(WoodThrush)、ビリーチャツグミ(Veery)、オリーブチャツグミ(Swainsonﾕs Thrush)、ネコマネドリ(Gray Catbird)、キノドモズモドキ(Yellow-throated Vireo)、アカメモズモドキ(Red-eyed Vireo)、ウタイモズモドキ(Warbling Vireo)、ムネアカイカル(Rose-breasted Grosbeak)、ルリノジコ(Indigo Bunting)、ボルチモアムクドリモドキ(Baltimore Oriole)
以上

（ニューヨーク在住　藤波 理一郎）