バーダーへの質問:回答編
 

2.バーダー(バードウオッチャー、バードウオッチングをする人)について
 
  回答集:
  1. 当然焼き鳥を食べないのでしょう?
  2. 目や耳が悪いとだめですよね?
  3. なぜあんなに小さな鳥を見分けられるのですか? 
     
  4. 他の質問へ行ってみる。

 

 
a. 問:当然焼き鳥を食べないのでしょう?


a. 答:
バードウオッチャーも人間ですので、鶏肉が嫌いでない人は、勿論焼き鳥も食べます。

野鳥が好きな人もいろいろいると思いますし、宗教や信念にはいろいろな考え方がありますので、中には鳥が好きなのだから鳥など食べないという人がいてもおかしくはありません。しかし、一般に自然保護を願う願わないに係わらず、人間は皆自然からの恩恵を口にしないで生きていくことは不可能です。菜食主義者だって植物という生き物を口にしなければ生きられません。これは動物として人間がこの世にある以上他の生き物の命を対価にその成分を自らの体内に取り入れて生きていくのが宿命であり、やむを得ないものであります。

私は、自然の中であるがままに生活する野鳥を脅かさないという点に配慮しさえすれば野鳥はどのような楽しみ方をしても良いと思います。この観点からいえば、家畜である鳥獣類を食すことは、その繁殖は勿論、食肉としての改善も長い歴史の中で行われており、その種の保全と食肉としての安全性の観点から極めて妥当であると考えます。焼き鳥は野鳥を食べるのではなくブロイラーとして養殖された鶏肉を加工し焼いて食前に出すものですから、バードウオッチャーの信念とは矛盾しません。

一方でワシントン条約を採り上げるまでもなく、正規の手段で入手した野生鳥獣以外は食するのはおろかその体の構成物のいかなる部分を使った製品も認めるわけにはいかないと考えます。
現在日本を含む地球上の至る所で狩猟が認められています。この観点からいいますと狩猟期間に正式な手段で合法的に入手した野鳥を食すことは認められますが、非合法で捕獲した野鳥を食することは認められないということになります。しかし、現実に密猟など非合法な手段で販売されている野生鳥獣が後を絶たないことと合わせ考えると、ひとたび肉となって食卓にあげられたものは合法的入手か非合法での入手かの判断が非常に困難でありますので、バードウオッチャーとしては合法非合法に関係なくやはり「野鳥」の種の保全に大きな影響を及ぼす恐れのある行為としてこのような野鳥を食すことは最低限におさえるのが妥当であると考えます。

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b.  問:目や耳が悪いとだめですよね?


b.  答:
野鳥の楽しみ方にはいろいろあります。目も耳も不自由のない方々にとっては、自然の中で生息する野鳥とふれあう楽しみを存分に満喫することが出来ます。しかし、目が不自由、耳が不自由な方々にとっても野鳥の楽しみ方はあります。現実に目の不自由な方々のために、健常者と一緒にバードウオッチングが楽しめるような図鑑も発売されています。(「さわる図鑑・鳥」カセットテープつき。詳細は日本野鳥の会バードショップ電話03-5358-3515へ問い合わせてください。)耳が不自由な方々は双眼鏡での確認は出来ますし、最近活用されるようになった小型液晶モニターでフィールドスコープの画像を見る方法もありますので十分に楽しむことが出来ます。
 
バードウオッチングは多少身体的に不自由があっても始められるのです。ただし、健常者の方々がアシストしてあげることは必要です。最近は障害を持った方々のバードウオッチングも行われているようですので、是非はじめてみたいという方は日本野鳥の会などに照会してみてください。
 
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c.  問:なぜあんなに小さな鳥を見分けられるのですか?


c. 答:
一言で答えるとすると、それは慣れですということになるのでしょうか。
私のつたない経験からすると、都会で育った時間が長ければ長いほど鳥や虫や植物などを知らない人が多いと思われます。
反対に、子供の頃から自然の豊富な土地で育った人にとって、鳥や小動物や植物などの知識は非常に豊富です。学問的に正確にその種類を識別できるかどうかはともかく、日頃からホオジロ、メジロ、ジョウビタキやモズなどを見慣れている人達にとってはバーダーでも何でもない普通の人でも識別が出来ます。
 
残念ながらこれまでにそのような経験が持てなかったような人達も悲観するには及びません。
ちょっとした注意で、都会にも多くの鳥達がいることに気がつきますし、その存在に気がつけばその種類の違いにも自然に目がいくようになります。
 
幸い最近は各地の野鳥の会などで一般の人向けの探鳥会などを数多くやっていますのでそのような集いに参加すると、リーダーや他の参加者の人達からいろいろと見分けるポイントなどを教えてもらうことが出来、誰でも簡単に識別できるようになります。
 
でも、いろいろと識別の力が付いてくれば来るほど、更に識別できるようにする訓練と勉強が必要になることも事実で、それだからこそバードウオッチングは懐が深く、素人は素人なりにマニアはマニアなりに楽しめるものなのです。
 
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他にご質問がありましたらbirder@e-birder.com宛てにメールでおたずね下さい。
私ができる範囲で誠実にお答えし、主なものはこのページで紹介させて頂きます。