(昭和47年12月執筆) アメリカの自然保護、第四章 国際化していく自然保護主義

 
第四章 国際化していく自然保護主義

  20世紀中葉になって、にわかに活気づいてきた自然保護、環境保全、資源保存の一連の動きを政治の場でとりあげ、「かけがえのない地球」を人間の住むことのできるただ一つの場所として保護していこうという姿勢で臨むありかたを私はその国の「自然保護主義」と呼んでみたい。
 帝国主義、全体主義といった主に戦前の考え方である自国の利益中心に行う政治主義ではなく、広く国際的な意図に立って“地球運営”を行っていこうという自然保護主義は、地球上の食糧や鉱物資源等が限定され、また、人口もある程度制約を受けなければならない必要が存在する以上、遅かれ早かれ世界各国が何らかの方法でとりあげていかなければならない道であると思う。私はこの章で国際化していく環境問題がもたらすいろいろな影響を考え、アメリカがそれにどのようにかかわってきたか、またこれからどうあるべきなのかを考えてみたい。
 
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