「2003年春のニューヨーク・ソングバード便り」第二報
(2003年4月13日)


ニューヨーク近郊は雪やミゾレが舞い散る暗い天気が続いた後、やっと日中15度〜18度という春のぽかぽか陽気が訪れ、庭のスイセン、クロッカスやスミレなどが満開となり、マグノリアの花の蕾も大きく膨らんできた。
ショウジョウコウカンチョウの真っ赤な色やコマツグミの胸の赤茶の色も濃くなり、セジロコゲラのドラミングの音が心地よく耳に響いてくる。
メキシコマシコ、ウタスズメ、ノドジロシトド、ショウジョウコウカンチョウ、コマツグミなどが盛んに囀り始め、ハゴロモガラスの“コンコリーン”という歌も長閑に聞こえてくる。 色々な鳥の鳴き声を真似ながら途切れもなく歌い続けるマネシツグミは高い木の枝から枝へ長い尾を立てて移り飛び回り、テリトリー宣言に忙しい。
この鳥の声を聴いていると、彼らが渡って来る途中どんな鳥達と一緒だったのか判る場合があって面白い。 一番多いのがモリタイランチョウやフタオビチドリの鳴き声で、時々ネコマネドリの声を出すので、もう彼らも渡って来たのかと惑わされる事がある。
夏鳥の早い到着組、ツキヒメハエトリ、キノド、シロクロ、マツ、ヤシ等のアメリカムシクイ達とミナミミズツグミはすでにセントラルパーク等の公園にも姿を見せている。
また、隣のニュージャージー州南端のケイプメイにはブユムシクイがやっと到着したようで、蝉のように小さくて可愛いノドアカハチドリが現れるのもあと数日と思われる。
ニューヨークの本格的な春もやっと真近に来たようだ!


(ニューヨーク在住 藤波 理一郎)