「2003年春のニューヨーク・ソングバード便り」第五報
(2003年5月5日)


4月末から5月初めにかけて、ニューヨークもすっかり新緑が美しい季節となった。
東海岸で春をまず感じるのは、何と言ってもムシクイ類の歌であり姿である。
市内の公園で先週はムシクイ類が23種類も見ることが出来た。
この他アカフウキンチョウやルリノジコ等のソングバードも渡って来ている。
セントラルパークでは21種類のムシクイ類が見られた。 ハゴロモムシクイ、カマドムシクイ、キタミズツグミ、ミナミミズツグミ、そして、アオバネ、アサギ、キイロ、ワキチャ、シロオビ、ノドグロルリ、キヅタ、ノドグロミドリ、マツ、ヤシ、ズグロ、シロクロ、カオグロ、クロズキン、カナダ、マミジロ、サメズアカ等のアメリカムシクイ達である。
また、ブロンクス動物園では今年一番のオウゴンアメリカムシクイが見られ、クイーンズのプロスペクト公園のメガネアメリカムシクイは何処へも行かず2週間も居座り、すっかり人気者となっている。
 
北郊外のベアーマウンテン州立公園はいよいよ山全体が淡い新緑に包まれ、山花水木の花も咲き始めた。
毎年ここで営巣するミナミミズツグミ、ハゴロモムシクイ、クロズキン、ミズイロ、キイロ、カオグロ、アオバネ、フタスジ等のアメリカムシクイもたくさんやって来た。
彼らのテリトリーソングの合唱で森も朝から賑やかである。
その他モリタイランチョウ、ツキヒメハエトリ、ボルチモアムクドリモドキ、ブユムシクイ、オオヒタキモドキ、フタスジやアカメ等のモズモドキの夏鳥達や、ノドグロミドリ、ヤシ、シロクロ、アサギ、キヅタ、ノドグロルリ等のアメリカムシクイも見られる。
今年は珍しくアメリカワシミミズクが営巣しているので、昼間でも目の前を飛び回るオス・メスの姿が見られ、歩いていても大変楽しい。
今月に入ってキツツキ類のドラミングが大変賑やかに聞こえてくるようになった。
大きくて低い音を奏でるエボシクマゲラ、軽やかな音でよく響くシマセゲラとセジロアカゲラ、小じみに響くセジロコゲラ等や「キーキーキー」と煩く喚くハシボソキツツキ等・・
森の奥から響いてくるモリツグミの澄んだ美しい鳴き声と一緒になってまさに春の歌であり春の音色である。

(ニューヨーク在住 藤波 理一郎)