「2003年春のニューヨーク・ソングバード便り」第四報
(2003年4月28日)


やっと春の陽気が続くようになった。
マグノリアや梨の花が満開である。暖かい南の風に乗ってムシクイの新しい顔ぶれが増えている。
アオバネ、ノドグロミドリ、キイロ、フタスジ等のアメリカムシクイ、それにカマドムシクイ、キタミズツグミ、ハゴロムシクイ等が新たに現れ、すでに来ているシロクロ、キヅタ、キノド、チャスジ、マツ、ヤシ、クロズキン、メガネ、カオグロアメリカムシクイ達やミナミミズツグミを加えると17種類ものアメリカムシクイが見られる。
 
* セントラルパークは7種類のアメリカムシクイの他、Swallow類はオビナシショウドウ、ミドリ、普通のツバメの3種類。
Sparrow類は ヒメドリ、チャガシラヒメドリ、ゴマフスズメ、ヌマウタスズメ、クサチヒメドリ、ウタスズメ、ノドジロシトドの7種類。
それにルリノジコとアカクロムクドリモドキが現れた。
珍しいところでは、オオキアシシギが公園の池で見られ話題となっている。
 
* ブックリン植物園のメガネアメリカムシクイは人の多い都会の公園にもかかわらず、居心地が良いのか何処へも行かずゆっくりとしている。
 
* 25日(金)に私の夏鳥観察のフィールドであるニューヨーク北郊外ベアーマウンテン州立公園をハイキングした。 まだ緑は少なく、やっと下草とブッシュが新緑となっているところ、しかし、ヒメコンドルとクロコンドルが空を旋回しており、スミレが満開でしかも、毎年春一番で囀るミナミミズツグミも4ヶ所で囀っていた。
このミナミミズツグミとキタミズツグミは鶫の名前はついているものの、アメリカムシクイの一種であり、姿による識別がなかなか難しいが、この時期は鳴いてくれるので助かる。また、ミナミミズツグミは清流を好み、キタミズツグミは水溜まりのような池の水辺を好んで歩き回るので春は比較的楽に見分ける事が出来る。

(ニューヨーク在住 藤波 理一郎)