「晩秋のニューヨーク」
( 11/21/2000 )


紅葉も終わり、街路樹や庭木も丸裸になってしまったニューヨーク、秋のアメリカムシクイやシギ・チドリ達が大方去って行ってしまった海辺に、今年も冬の使者達が集まり出している。
常連のコオリガモやシノリガモは勿論、これらに混じってアビやハシグロアビ、そしてアカエリカイツブリ、ミミカイツブリ等が海岸を賑わしている。
岩場ではムラサキハマシギが群れて、冷たい水飛沫を浴びながら餌採りをしている。冬の弱い日差しが当たった嘴や足がオレンジ色に輝いている。
入り江の浅瀬ではハシグロユリカモメとコクガンの大群がやかましく鳴き合い、空には群れて飛ぶハクガンの清楚な姿が見られる。
砂丘に立ち並ぶ板塀に、ユキホオジロの群れが並んで日向ぼっこをしている。 冬羽の茶色の頭とピンクの嘴が可愛い。 砂の上を這い回って餌採りをしているハマヒバリの群れに混じってツメナガホオジロも5・6羽居り、バーダーを喜ばしている。
葦がすっかり枯れてしまった池には、アカオタテガモの大群にオウギアイサが混じっている。大きな扇型の頭の白いパッチがよく水面に映っている。
丸くて小さい縫いぐるみのようなヒメハジロが盛んに潜って小魚を取る姿は、見ていても飽きない。今年のニューヨーク子を喜ばしている話題は、シロフクロウが4年ぶりに現れた事だろう。
彼らは、主食としているレミングというタビネズミが減る年はこの辺まで下りて来る。
今年も早々と1羽の若鳥が下りて来てくれて、海岸の砂丘をフワフワと飛び回っている。
これから雪が降り始め本格的な冬がやって来ると、シロフクロウの数も増え絶好の被写体となってくれる。 寒い極寒の冬が待ち遠しい。
( ニューヨーク・藤波 )